是枝裕和監督作「怪物」がカンヌでクィア・パルム賞に輝く、日本映画の受賞は初

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第76回カンヌ国際映画祭で「怪物」がクィア・パルム賞に輝いた。

「怪物」クィア・パルム賞受賞の様子。左から2番目が是枝裕和、3番目がジョン・キャメロン・ミッチェル。

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是枝裕和が監督を務める「怪物」では、ある郊外の学校で起きた子供同士の喧嘩が大人や社会、メディアを巻き込んで大事になっていく様子が描かれる。安藤サクラ永山瑛太黒川想矢柊木陽太らがキャストに名を連ねた。坂元裕二が脚本を手がける。

「怪物」クィア・パルム賞受賞の様子。

クィア・パルム賞は、カンヌ国際映画祭の独立賞の1つで、コンペティション部門、国際批評家週間、監督週間、ある視点部門に出品されたすべての作品を対象に、LGBTやクィアを扱った映画に与えられるもの。本作が日本映画として初の受賞となった。

「怪物」クィア・パルム賞受賞の様子。

審査員長のジョン・キャメロン・ミッチェルは、「世間の期待に適合できない2人の少年が織りなす、この美しく構成された物語は、クィアの人々、なじむことができない人々、あるいは世界に拒まれているすべての人々に力強い慰めを与え、そしてこの映画は命を救うことになるでしょう」と本作を称賛。さらに「登場人物のあらゆる面を、繊細な詩、深い思いやり、そして見事な技術で表現した是枝裕和監督の『怪物』に、私たち審査員は満場一致でクィア・パルム賞を授与します」と伝えた。

ミッチェルの言葉を受け是枝は「僕がこの映画のプロットを手にしたのは4年半ほど前なのですけども、その瞬間からこの主人公2人の少年が抱えている葛藤とどういう風に、それを演じる少年と同じように作り手であるプロデューサー、監督、脚本家がその葛藤と向き合うべきなのか、どうしたら向き合えるのかをとてもとても時間をかけてやってきました」と述懐。また彼は「映画がすべてを語っていると思うので、監督がここでなにかをいうのは、おまけのような、いらない蛇足なのですが本当に、この映画を愛していただいて感謝いたします」と口にした。

「怪物」は、リューベン・オストルンドが審査委員長を務める同映画祭のコンペティション部門に出品されている。授賞式は現地時間5月27日に実施。なお本作は6月2日に全国で公開される。

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(c)2023「怪物」製作委員会

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

“出品されたすべての作品を対象に、LGBTやクィアを扱った映画に与えられるもの。本作が日本映画として初の受賞”/是枝裕和監督作「怪物」がカンヌでクィア・パルム賞に輝く、日本映画の受賞は初 - 映画ナタリー https://t.co/nLBgWUi9pR

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