「エドワード・ヤンの恋愛時代」4Kレストア版が劇場公開

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「古嶺街少年殺人事件」「ヤンヤン 夏の想い出」で知られるエドワード・ヤンが1994年に発表した「エドワード・ヤンの恋愛時代」。その4Kレストア版が8月18日より東京・TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほかで公開されることがわかった。

「エドワード・ヤンの恋愛時代」場面写真

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本作は急速な西洋化と経済発展を遂げた1990年代の台北を舞台に、10人の男女の人間関係を2日半という凝縮された時間の中で描いた群像劇。会社を経営するモーリー、その会社で働く親友のチチ、チチの恋人で公務員として働くミン、彼らの同級生で舞台演出家のバーディらの恋愛模様を軸に、大都会で心に空虚感を抱えながら生きる若者たちの悩みや野望、混乱、そして喜びをつづる。原題は「獨立時代」。

映画は「パルプ・フィクション」が最高賞を獲得した1994年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、日本での初公開時、その内容からトレンディドラマになぞらえ「台北ラブ・ストーリー」とも宣伝された。権利関係の複雑さにより長らく劇場で上映されず、国内DVDも絶版となっていたが、近年になって台湾映画・メディア文化センターによる修復作業が行われ、2022年にヴェネツィア国際映画祭に4Kレストア版が出品された。このたび29年ぶりの劇場公開が決定。配給は2017年にリバイバルされた「古嶺街少年殺人事件」と同じビターズ・エンドが担当する。

第35回東京国際映画祭での上映時には「ドライブ・マイ・カー」で知られる濱口竜介がトークイベントに登壇。濱口はエドワード・ヤンを「もっとも敬愛する作家の1人」としつつ、悲劇的な結末をたどる「古嶺街少年殺人事件」の次作として制作されたことから「(エドワード・ヤンが)悲劇的な大傑作を撮ってしまったあとで、何を作るか考えたときに、本当に絶望的な状況から何か楽天的なものを見つけ出そうとしている。そういうトライがここから始まっているんじゃないかなと思いました」と語っていた。

※「古嶺街少年殺人事件」の古は牛偏に古が正式表記

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(c)Kailidoscope Pictures

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おきらく台湾研究所 @okiraku_tw

映画ナタリー「「エドワード・ヤンの恋愛時代」4Kレストア版が劇場公開」 https://t.co/l7DSSdwtUa 8/18より東京・TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほかで公開。権利関係の複雑さのため長らく劇場で上映されていない作品。

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