今泉力哉が豊田徹也のマンガ「アンダーカレント」映画化、澤井香織と脚本執筆

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「愛がなんだ」「窓辺にて」の今泉力哉が、豊田徹也によるマンガ「アンダーカレント」を映画化。2023年秋に公開される。

左からマンガ「アンダーカレント」書影、今泉力哉。

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2004年8月から1年間にわたって月刊アフタヌーンで連載された「アンダーカレント」。家業を継いだかなえは、夫の悟と銭湯を切り盛りし順風満帆な日々を送っていた。しかし悟が突然失踪し、彼の行方をつかめないかなえは途方に暮れることになる。一時休業していた銭湯の営業を再開すると、「働きたい」という謎の男・堀が現れ、手違いをきっかけに住み込みで働くことに。かなえは胡散臭い探偵・山崎と悟を探しつつ、堀と奇妙な共同生活をしながら穏やかな日常を取り戻しつつあった。だがある事件を機に、堀、悟、そしてかなえが閉ざしていた心の深層(アンダーカレント)が浮かび上がってくる。

監督を務める今泉は、「愛がなんだ」やNetflix映画「ちひろさん」でもタッグを組んだ澤井香織とともに脚本を執筆。「豊田さんは『僕はいいんだけど、登場人物が嫌な思いをしない映画にしてください』と言った。登場人物が嫌な思いをしないように。とってもすてきな言葉だと思った。コロナ禍でお茶をしたある日、会計時に自分の分のコーヒー代を、きっとこういうご時世だからだろう、衛生面からラップにくるんでご用意してくださっていて。この繊細さをきちんと映画にしたいと思った」と述べている。

なお単行本の重版も決定した。

今泉力哉 コメント

この世界にはそれが存在することで誰かが救われるという作品があって、そして、そういうものを生み出す人がいて、豊田徹也さんの「アンダーカレント」はそういう漫画で、豊田さんはそういう人だ。映画化にあたり、豊田さんと何度もふたりきりで会っていろんな話をした。はじめて会った日に4時間お茶をしたのだが、まだまだ話し足りなかった。帰り際、原田芳雄さんのエッセイ「B級パラダイス 俺の昨日を少しだけ」をいただいた。豊田さんは「僕はいいんだけど、登場人物が嫌な思いをしない映画にしてください」と言った。登場人物が嫌な思いをしないように。とってもすてきな言葉だと思った。コロナ禍でお茶をしたある日、会計時に自分の分のコーヒー代を、きっとこういうご時世だからだろう、衛生面からラップにくるんでご用意してくださっていて。この繊細さをきちんと映画にしたいと思った。私はキリスト教徒なのだが、熱心な信者ではなくて、それでもたまに教会に行くと心が澄む感覚になるのだが、自分にとっての豊田さんはそういう人で、会うと心が澄む。とても繊細で面白い方で、日々、自分は映画監督に向いていないなと思いながら映画をつくっているのだが、こういう原作の映画化の話が来ることはとても光栄だし、きっと器用に生きることができない人にしか生み出せないものがあると信じて、これからも生きていきます。かなえや堀も、今もどこかで元気でいてくれたら。

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(c)豊田徹也/講談社 (c)2023「アンダーカレント」製作委員会

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てれびのスキマ/戸部田 誠 @u5u

今泉「豊田さんは『僕はいいんだけど、登場人物が嫌な思いをしない映画にしてください』と言った。登場人物が嫌な思いをしないように。とってもすてきな言葉だと思った」/今泉力哉が豊田徹也のマンガ「アンダーカレント」映画化、澤井香織と脚本執筆 - 映画ナタリー https://t.co/hBJnwKerz7

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