第23回東京フィルメックス最優秀作品賞は「自叙伝」、工藤将亮監督作が観客賞を受賞

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第23回東京フィルメックスの受賞結果が、本日11月5日に東京・有楽町朝日ホールで発表された。

「第23回東京フィルメックス」授賞式の様子。

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マクバル・ムバラク

「自叙伝」

最優秀作品賞に輝いたのはマクバル・ムバラクの「自叙伝」。国際審査員長のリティ・パンは受賞理由に関して「見事な演出による自信に満ちた映画スタイルで、モラルコントロールの巨大な網に対する個人の抵抗の探求は、次第に権力構造が不穏な邪悪さへと変化する様子を描いている」と述べる。ムバラクは「これは私の長編第1作です。完成までに5年かかりました。撮影地である村や、世界中の友人の力を借りて完成させることができました。この映画はまさに友情の産物です」と喜びを語った。

チョン・ジュリ

審査員特別賞にはダヴィ・シューの「ソウルに帰る」と、チョン・ジュリの「Next Sohee(英題)」が選出。チョン・ジュリは「韓国に戻ったのですが、この知らせを聞いて再び戻ってきました」と明かし、「映画の力を信じ、韓国に戻ったら自分のいる場所で、全力を尽くして映画を作っていきたい」と伝える。またアリ・チェリの「ダム」にスペシャル・メンションが与えられることに。チェリは「今週、映画祭で観客の皆様と一緒に作品を観られて素晴らしかったです」とビデオメッセージを送った。

工藤将亮

「遠いところ」

観客賞は工藤将亮が手がけた「遠いところ」が獲得。工藤は「何より、お客さんに届いたということがうれしい。この映画の見どころは俳優陣の演技。この作品を信じて演じてくれた俳優陣に、心から感謝します」と思いを明かした。なお「遠いところ」は2023年初夏に公開される。

「地中海熱」

学生審査員賞には、マハ・ハジ監督作「地中海熱」が選ばれた。受賞理由について学生審査員の山辺愛咲子は「決して明るくない社会に生きる1人の人間と、映画の外までも続いていく世界の広がり、そしてその先の人生も描き出されていました」と説明する。

リティ・パン

最後にリティ・パンは「今回は選考作品すべてに圧倒された」「本当に素晴らしかった。アイスクリームがおいしくて、もう1個!となりますよね? そんな感じでした」とフランス語で印象を述べる。そして彼は「改めて、この映画祭にご協力いただいたすべての方にお礼を申し上げます」と呼びかけ、授賞式を締めた。

全受賞結果は以下の通り。

第23回東京フィルメックス 受賞結果

最優秀作品賞

マクバル・ムバラク「自叙伝」

審査員特別賞

ダヴィ・シュー「ソウルに帰る」
チョン・ジュリ「Next Sohee(英題)」

スぺシャル・メンション

アリ・チェリ「ダム」

観客賞

工藤将亮「遠いところ」

学生審査員賞

マハ・ハジ「地中海熱」

タレンツ・トーキョー・アワード2022

ソン・ヘソン「Forte」

スぺシャル・メンション

マウン・サン「Future Laobans」
シャルロット・ホン・ビー・ハー「TROPICAL RAIN, DEATH-SCENTED KISS」

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