井上真央が「わたしのお母さん」との出会い回想「静けさがあっていい脚本」

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第35回東京国際映画祭のNippon Cinema Nowに出品されている「わたしのお母さん」の舞台挨拶が本日10月28日に東京・角川シネマ有楽町で開催。キャストの井上真央、監督と脚本を担当した杉田真一が登壇した。

「わたしのお母さん」舞台挨拶の様子。左から井上真央、杉田真一。

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「わたしのお母さん」ポスタービジュアル

本作は、母娘間の複雑で繊細な感情を描く物語。母との関係に苦しむ主人公・夕子を井上、悪気なく娘を追い込んでしまう母・寛子を石田えりが演じた。杉田は井上と石田を「この2人がいないと成立しない。リスペクトしています」とたたえ、「井上さんは佇まいに説得力がある」「石田さんは年々“現役間”が増しているように感じます」と評する。

井上真央

井上は「ただ親子関係に苦しむ人の話ではなく、こうでなければいけないというものに合わせられない人の話。心の底に抱えているようなものをゆっくり紐解いていく静けさがあっていい脚本だなと思いました」と作品との出会いを振り返った。

左から井上真央、杉田真一。

石田扮する寛子をキュートに感じたという観客から「お母さんのどういったところが嫌いだと捉えて演じていましたか?」という質問が飛ぶと、井上は「いいお母さんですよね。えりさんが演じているのでかわいらしい」と笑顔に。続けて「他人にはいいお母さんだと思われていることが、夕子にとって重くのしかかっていたんだと思うんです。親が嫌いなんて間違っている、私がいけない、私が母のいいところを見られないんだって……。そういうものが積み重なって、もやもやしていたんだろうなと思っています」「本音を言えないというところで苦しんでいたのかなと」と真摯に伝えた。

杉田真一

また杉田の演出に関して井上は「監督はいろんな捉え方ができるように、何か特定するようなことは避けていたように思います」と述べ、「だからこういう気持ちでやろう、こういう見せ方にしようと演じたシーンはなかったです」と述懐する。本作にはセリフが少ないという話が出ると、杉田は「何もしないで座っていても、井上さんが醸し出す何かがあれば、それをちゃんと映すことがこの映画にとって特別なことになるんじゃないかと思っていました」と思い返した。

左から井上真央、杉田真一。

最後に「監督、無茶言うなと思ったシーンは?」と問われた井上は「全部って言いたいところですけど」と茶目っ気たっぷりに切り出してから、「撮影が始まる前に監督に『僕は歩くシーンを大事に撮りたいんです』と言われたんです。夕子の気持ちを歩きながら表現するというのは難しかったですね」と回想。そして「監督からあるシーンの撮影のときに『水がいっぱいのコップを持ちながら歩いている感じ。こぼれそうだけどこぼれないような』と言われて、腑に落ちたことがありました」と言及した。

「わたしのお母さん」は11月11日より、東京・ユーロスペースほか全国にて順次公開。

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(c)2022「わたしのお母さん」製作委員会

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うーちゃん @fc17_tike

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