【アカデミー賞全受賞リスト】「コーダ」が作品賞含む3冠、最多6冠は「DUNE」

第94回アカデミー賞の授賞式が本日、日本時間3月28日にアメリカ・ロサンゼルスのドルビーシアターで開催された。

第94回アカデミー賞作品賞を受賞した「コーダ あいのうた」のスタッフ、キャスト。(Getty Images)

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助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァー。(ロイター/アフロ)

シアン・ヘダー (c)AFP/アフロ

作品賞を受賞したのは「コーダ あいのうた」。助演男優賞を受賞したろう者の俳優トロイ・コッツァーは「(スティーヴン・)スピルバーグ監督の本を読んだのですが、彼によると最高の監督の定義はスキルのあるコミュニケーターだそうです。そしてシアン・ヘダー監督は最高にスキルの高いコミュニケーターです。障害者とそうでない人との橋渡し役を務めたからです」「この受賞をろう者の、コーダ(耳の聞こえない両親に育てられた子供)のコミュニティ、障害者のコミュニティに捧げます」、脚色賞を獲得した監督のシアン・ヘダーは「この脚本の執筆は私の人生を変えた経験でした。人間として、アーティストとして、コーダのコミュニティの皆さん、聴覚障害者の皆さんに感謝を申し上げたいと思います」と語った。

助演女優賞を受賞したアリアナ・デボーズ。(Getty Images)

ウエスト・サイド・ストーリー」で助演女優賞に輝いたアリアナ・デボーズは、1961年公開の「ウエスト・サイド物語」でデボーズと同じ役を演じ、今回は別の役で出演したリタ・モレノに「あなたが演じたアニータは、私のアニータにいくつもの道を開いてくれました」と感謝。そして「白いフォード・フォーカスの後部座席に座った小さな女の子のことを想像してみてください」「彼女の目には、生きていくための強さを芸術に見出したクィアのアフロラテン系の女性が映っているんです」と話した。

監督賞を受賞したジェーン・カンピオン。(ロイター/アフロ)

Netflix映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」で監督賞を受賞したジェーン・カンピオンは、ほかのノミニーを「あなたたち皆が並外れた才能の持ち主です。誰が受賞してもおかしくはなかった」と称賛し、「私は監督をすることが大好きです。なぜならそれは物語の奥深くに飛び込んでいくことだから。1つの世界を作り上げることの大変さに圧倒もされますが」とコメント。最後に「1度も会ったことがない原作者トーマス・サヴェージの存在なくして、この受賞はあり得ませんでした。彼は残酷さについて書きながらも、一方では優しさを欲していました」と話し、「ありがとう、アカデミー。これは一生の誇りになります」と述べた。

主演女優賞を受賞したジェシカ・チャステイン。(Getty Images)

キリスト教福音派のテレビ伝道師タミー・フェイを演じた「タミー・フェイの瞳」で主演女優賞を獲得したジェシカ・チャステインは、フロリダ州の「“ゲイと言ってはいけない”法案」に触れ「私たちは今、国を席巻する差別的で偏見に満ちた法律に直面しています。それは私たちの断絶だけを目標にしたものです。このような時代で私はタミーのことを思い、彼女のラディカルな行動や愛にインスパイアされています」「彼女の人を思いやる心に私は触発されました。それは私たちを前進させる指針です」とコメント。監督のマイケル・ショウォルター、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したスタッフ、プロデューサーに感謝し、夫役のアンドリュー・ガーフィールドに「あなたの最高の演技が最高の私を引き出してくれたのよ。ありがとう」とメッセージを送った。

国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」の監督・濱口竜介(右)。(ロイター/アフロ)

左から濱口竜介、西島秀俊、岡田将生、霧島れいか、山本晃久、大江崇允。(ロイター/アフロ)

作品賞など4部門にノミネートされていた日本映画「ドライブ・マイ・カー」は国際長編映画賞を受賞。監督の濱口竜介は受け取ったオスカー像に英語で「あなたがオスカーですね(笑)」と語りかけ、日本語で「西島秀俊さん、岡田将生さん、霧島れいかさん、ジン・デヨンさん、パク・ユリムさん、ソニア・ユアンさん、アン・フィテさん、おめでとうございます。そして、そして!」とキャストに感謝する。さらに濱口は英語で「ここに来られなかった俳優の皆さんにも感謝いたします。特に赤いサーブ900を運転してくれた三浦透子さんに感謝します」と続け、日本語で「皆さん、獲りました!」と締めくくった。

なお最多受賞となったのは「DUNE/デューン 砂の惑星」。音響賞、作曲賞、編集賞、美術賞、撮影賞、視覚効果賞の6部門を制した。

主演男優賞を受賞したウィル・スミス。(AP)

式中には、ウィル・スミスがプレゼンターのクリス・ロックに激怒し平手打ちを食らわせるというハプニングも。妻のジェイダ・ピンケット=スミスを侮辱するようなジョークをロックが口にしたことが理由だったという。テニス選手のビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を育てた父リチャードを演じた「ドリームプラン」で主演男優賞を獲得したウィル・スミスは、スピーチで涙を流し「受賞したから涙を流しているわけではありません。私の受賞でキャスト全員、そしてスタッフ、ビーナス、セリーナ、ウィリアムズ一家全員に光が射すことを心からうれしく思います」と話した。

授賞式の模様はWOWOWプライム、WOWOWオンデマンドで本日22時から字幕版が放送・配信される。

※記事初出時、キャプションに一部誤りがありました。お詫びして訂正します。

第94回アカデミー賞受賞結果

※★印が受賞者、受賞作品

作品賞

ベルファスト
★「コーダ あいのうた」
「ドント・ルック・アップ」
「ドライブ・マイ・カー」
「DUNE/デューン 砂の惑星」
「ドリームプラン」
「リコリス・ピザ」
「ナイトメア・アリー」
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
「ウエスト・サイド・ストーリー」

監督賞

ケネス・ブラナー「ベルファスト」
濱口竜介「ドライブ・マイ・カー」
ポール・トーマス・アンダーソン「リコリス・ピザ」
★ジェーン・カンピオン「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
スティーヴン・スピルバーグ「ウエスト・サイド・ストーリー」

主演男優賞

ハビエル・バルデム「愛すべき夫妻の秘密」
ベネディクト・カンバーバッチ「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
アンドリュー・ガーフィールド「tick, tick... BOOM!: チック、チック...ブーン!」
★ウィル・スミス「ドリームプラン」
デンゼル・ワシントン「マクベス」

主演女優賞

★ジェシカ・チャステイン「タミー・フェイの瞳」
オリヴィア・コールマン「ロスト・ドーター」
ペネロペ・クルス「Parallel Mothers(英題)」
ニコール・キッドマン「愛すべき夫妻の秘密」
クリステン・スチュワート「スペンサー ダイアナの決意」

助演男優賞

キアラン・ハインズ「ベルファスト」
★トロイ・コッツァー「コーダ あいのうた」
ジェシー・プレモンス「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
J・K・シモンズ「愛すべき夫妻の秘密」
コディ・スミット=マクフィー「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

助演女優賞

ジェシー・バックリー「ロスト・ドーター」
★アリアナ・デボーズ「ウエスト・サイド・ストーリー」
ジュディ・デンチ「ベルファスト」
キルスティン・ダンスト「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
アーンジャニュー・エリス「ドリームプラン」

脚本賞

★「ベルファスト」(ケネス・ブラナー
「ドント・ルック・アップ」(アダム・マッケイ、デヴィッド・シロタ)
「ドリームプラン」(ザック・ベイリン)
「リコリス・ピザ」(ポール・トーマス・アンダーソン)
「わたしは最悪。」(エスキル・フォクト、ヨアキム・トリアー)

脚色賞

★「コーダ あいのうた」(シアン・ヘダー)
「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介、大江崇允
「DUNE/デューン 砂の惑星」(ジョン・スペイツ、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、エリック・ロス)
「ロスト・ドーター」(マギー・ギレンホール)
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(ジェーン・カンピオン)

長編アニメーション賞

★「ミラベルと魔法だらけの家
「FLEE フリー」
「あの夏のルカ」
「ミッチェル家とマシンの反乱」
「ラーヤと龍の王国」

美術賞

★「DUNE/デューン 砂の惑星」
「ナイトメア・アリー」
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
「マクベス」
「ウエスト・サイド・ストーリー」

撮影賞

★「DUNE/デューン 砂の惑星」
「ナイトメア・アリー」
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
「マクベス」
「ウエスト・サイド・ストーリー」

衣装デザイン賞

★「クルエラ
「シラノ」
「DUNE/デューン 砂の惑星」
「ナイトメア・アリー」
「ウエスト・サイド・ストーリー」

編集賞

「ドント・ルック・アップ」
★「DUNE/デューン 砂の惑星」
「ドリームプラン」
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
「tick, tick... BOOM!: チック、チック...ブーン!」

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

「星の王子ニューヨークへ行く 2」
「クルエラ」
「DUNE/デューン 砂の惑星」
★「タミー・フェイの瞳」
「ハウス・オブ・グッチ」

音響賞

「ベルファスト」
★「DUNE/デューン 砂の惑星」
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」
「ウエスト・サイド・ストーリー」

視覚効果賞

★「DUNE/デューン 砂の惑星」
「フリー・ガイ」
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
「シャン・チー/テン・リングスの伝説」
「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」

作曲賞

「ドント・ルック・アップ」(ニコラス・ブリテル)
★「DUNE/デューン 砂の惑星」(ハンス・ジマー
「ミラベルと魔法だらけの家」(ジャーメイン・フランコ)
「Parallel Mothers」(アルベルト・イグレシアス)
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(ジョニー・グリーンウッド)

歌曲賞

「Be Alive」(「ドリームプラン」)
「2匹のオルギータス」(「ミラベルと魔法だらけの家」)
「Down to Joy」(「ベルファスト」)
★「No Time to Die」(「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」)
「Somehow You Do」(「Four Good Days(原題)」)

長編ドキュメンタリー賞

「Ascension(原題)」
「Attica(原題)」
「Flee」
★「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)
「燃え上がる記者たち」

国際長編映画賞

★「ドライブ・マイ・カー」(日本)
「Flee」(デンマーク)
「The Hand of God」(イタリア)
「ブータン 山の教室」(ブータン)
「The Worst Person in the World」(ノルウェー)

短編アニメーション賞

「Affairs of the Art(原題)」
「Bestia(原題)」
「ボクシングバレー」
「ことりのロビン」
★「The Windshield Wiper(原題)」

短編ドキュメンタリー賞

「オーディブル:鼓動を響かせて」
「私の帰る場所」
★「The Queen of Basketball(原題)」
「ベナジルに捧げる3つの歌」
「When We Were Bullies(原題)」

短編実写映画賞

「Ala Kachuu - Take and Run(原題)」
「The Dress(英題)」
★「The Long Goodbye(原題)」
「On My Mind(原題)」
「Please Hold(原題)」

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