瀬々敬久が石井裕也の作品を称賛「逼迫している状況で抜けを作っている」

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明日の食卓」「茜色に焼かれる」のトークイベント付き上映が7月23日に東京・キネカ大森で行われ、監督の瀬々敬久石井裕也が登壇した。

「明日の食卓」「茜色に焼かれる」のトークイベント付き上映に参加した瀬々敬久(左)、石井裕也(右)。

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石井裕也

コロナの影響で用意していた商業映画が飛んでしまい、やる気を失っていたという石井。しかし「茜色に焼かれる」はどうしてもやりたかった企画だったと言い「コロナになっていろんなお達しが出て、その中で人間の感情や心が置き去りにされていると去年6月ぐらいに感じました。それと自分の母親が死んだ年齢を超えちゃったんですよね。そういうマクロなものとミクロなものがちょうど重なって、やりたいなと思ったんです」と振り返る。瀬々は「石井くんの映画は最後に抜けるところを作るというか、僕たちの日常から1個飛び越えているようなものが世界にはあるんだぞっていう部分を示そうとする。それはやっぱりいつも見ていて素晴らしいなと。逼迫している状況なんだけど抜けを作るというか、そこに世界の素晴らしさを見せてくれる」と感想を伝えた。

続いて話題は「茜色に焼かれる」で主演を務め、「明日の食卓」にも出演した尾野真千子に及ぶ。瀬々が「『茜色に焼かれる』の尾野さんは普段と近いなという表情がいっぱいある。当て書きのようなところもあったんですか?」と尋ねると、石井は「まんま当て書きですね。自分の母親をイメージして書いてもいて。尾野さんは5年前くらいに連ドラでご一緒して、そこで『なんかあったらなんでもやるでー』みたいな感じでおっしゃっていたんです。次呼ばれたら本気でいくで、というメッセージだと思ったので、逆に声を掛けづらかったんですよ。でも今回は年齢的にも映画の概要的にも命懸けになるものだったので」と話した。

瀬々敬久

石井は「明日の食卓」について「3人の女優さんが出演されるということで、本人の意思に関わらず競うような作品というか……。それにトライする女優さんもすごいと思うし、それを演出する監督もすごいと思う」と述懐。瀬々は「でも一緒に共演するシーンはないですしね。1人5日から1週間、1人ずつ撮っていくという初めての試みでしたけど、連ドラ3話分撮っている感じでした」と当時を回想する。

また「俳優さんを選ぶ際に、何を重要視されているんですか?」と石井から質問が飛ぶと、瀬々は「人柄だよね」と即答。しかし「でも悪い人がいい芝居することもありますよね」と石井にツッコまれると、「それは往々にしてあるよね」と爆笑する場面も。また瀬々は一番楽しい作業は「ダビング」だと言い、苦しい作業は「脚本と編集じゃない?」と述べた。

「明日の食卓」では好きなカットはすべて高畑充希が出演したシーンだったと明かした石井。すると瀬々は高畑について「芝居に嘘をつけない人」と語る。また尾野を「化学反応の人。相手が投げた球で打ち方を変えていくというか、やり取りの醍醐味をよくわかっているというか」と評価し、菅野美穂については「もっと野性的というかリズミカル。身体がスポーティ」と分析した。

“石橋ユウ”という名前の息子を育てる3人の母親を軸にした「明日の食卓」、理不尽な交通事故で夫を亡くした女性・田中良子を主人公とした「茜色に焼かれる」は全国で公開中。「明日の食卓」はauスマートパスプレミアム、TELASA、WOWOWオンデマンドでの配信も行われている。

※「茜色に焼かれる」はR15+指定作品

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