松坂桃李が母子殺人事件の容疑者に、貫井徳郎原作のドラマSP「微笑む人」で主演

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松坂桃李が主演を務めるドラマスペシャル「微笑む人」が、テレビ朝日系で今春放送される。

「微笑む人」ビジュアル

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「微笑む人」

「愚行録」「乱反射」で知られる貫井徳郎の同名小説をドラマ化した本作。「本の置き場所がほしかった」という理由で妻子を殺害したエリート銀行員の仁藤俊美を松坂が演じ、事件の真相を追う週刊誌記者・鴨井晶に尾野真千子、晶の上司であるデスクの井上肇に生瀬勝久が扮する。そのほか福田転球田中要次阿部亮平、薬丸翔、小久保寿人佐藤乃莉が出演。「アンフェア」シリーズの秦建日子が脚本、落合正幸が監督を担当した。

「微笑む人」

松坂は「仁藤という男がやってきた行為は、もちろん許されるものではないのですが、台本を読んだ最初の印象では、なぜか嫌な感じがしなかったんです。彼の振る舞いや言動は、ある種の正論を言っている部分もあるので、不思議な感覚でした」とコメント。ドラマ版「この世界の片隅に」以来の共演となる尾野については「接見室で向き合うシーンも多かったので、以前とはまったく違う感覚でご一緒しました」と語り、「この作品に出てくる言葉には、心に刺さるものがすごく多い。『自分だったらどうするだろう』ということを考える時間ができるような作品なのではないかと思っています」と作品を紹介した。

「微笑む人」

尾野は松坂の印象を「……何でしょうかね、彼の見せる『微笑み』。これまでに私が見てきた『本当にいい人だな』という微笑みから一転して、今回は『ぞっとするような微笑み』を見せられました」と述べ、「感覚というものは、人それぞれである、という面白さと、現実世界においても理由付けが難しい事柄が起きている怖さを、お見せできたらなと思いました」と撮影を振り返った。

日曜プライム ドラマスペシャル「微笑む人」

テレビ朝日系 2020年春 21:00~

松坂桃李 コメント

仁藤という男がやってきた行為は、もちろん許されるものではないのですが、台本を読んだ最初の印象では、なぜか嫌な感じがしなかったんです。彼の振る舞いや言動は、ある種の正論を言っている部分もあるので、不思議な感覚でした。
そんな人物なので、僕自身も演じるにあたって「仁藤はこんな男だ」という風に思いすぎないほうがいいのかなと考えました。僕のものさしが挟まってしまうことによって彼の捉え方が変わってしまう気がしたんです。仁藤はどの局面、どんな場面においてもフラット。だからあまり「こうだ」と決めつけることなく、そのフラットであるという部分だけを心に留めていました。作品の全編を通して感情の揺れ動きやテンションが一定、という今回のような役柄は初めてだったかもしれません。
尾野真千子さんとの共演は「この世界の片隅に」以来。前回は姉弟役という関係性だったので、今回はまったく違う立ち位置です。罪を犯した人間と、それを調べるマスコミ側の人間──接見室で向き合うシーンも多かったので、以前とはまったく違う感覚でご一緒しました。共演シーンはそこまで多いわけではないのですが、ワンシーンワンシーンがとても濃いものだったので、お芝居をしていてとても楽しかったです。合間には以前と変わらず他愛もない話ばかりしていたのですけどね(笑)。
この作品に出てくる言葉には、心に刺さるものがすごく多い。「自分だったらどうするだろう」ということを考える時間ができるような作品なのではないかと思っています。現場でもとても熱量を感じた落合正幸監督がどんな風に料理して完成させてくれるのか、ぜひ楽しみにしていただけたらうれしいです。

尾野真千子 コメント

この作品を読んで、まず湧き上がったのは「異様だな」という感情でした。
完全に理解できるわけではないのだけれど、「あぁ結局人間っていうのはこういうものなのかな」と思わせるような、とてもリアルな人間の感情が描かれている気がしました。その異様さをどのように演じられるだろうかと考えることがとても面白く、さらにそれをどのくらい“普通”に演じることができるかを心がけていました。私が演じる鴨井晶という女性は、いわゆる“ジャーナリスト”なのですが、ごく普通の主婦だった女性が、家事を夫に任せ、外に働きに出ている──特別なことは何もない女性でいたいと考えて現場に入りました。
この作品で仁藤が語る「殺害の動機」って、一見しただけだと「え、それってどうなの」というものだけれど、実は誰しもが心の中に持ち得る感情なのかもしれないと思うんです。感覚というものは、人それぞれである、という面白さと、現実世界においても理由付けが難しい事柄が起きている怖さを、お見せできたらなと思いました。
松坂桃李さんとはこのたび二度目の共演となりました。前回は“弟”だったのですが、今回は“取材対象である殺人者”です。……何でしょうかね、彼の見せる「微笑み」。これまでに私が見てきた「本当にいい人だな」という微笑みから一転して、今回は「ぞっとするような微笑み」を見せられました。松坂桃李の中にあるまた新たな表情を垣間見た気がして、これからもさらに違う桃李くんが見たいな、と思わせてくれる作品になりました。

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