「孤狼の血」役所広司らが広島で会見、白石和彌「命を削って撮ろうと思った」

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孤狼の血」の記者会見とキックオフパーティが12月27日に開催され、役所広司阿部純子、監督の白石和彌、原作者の柚月裕子が登壇した。

「孤狼の血」会見の様子。左から白石和彌、阿部純子、役所広司、柚月裕子。

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「孤狼の血」ポスタービジュアル

本作は、暴力団対策法が成立する以前、1988年の広島を舞台に、組織間の激しい抗争を描いた作品。暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾を役所、その部下である日岡秀一を松坂桃李が演じた。

広島・ホテルグランヴィア広島で行われた記者会見では、白石が本作で目指したものについて説明。「東映のプロデューサーの方から、『仁義なき戦い』のような“エネルギーのある、勢いや力強さ”を映画に取り戻したいというお話をいただきました。とても監督冥利に尽きる思いでしたし、その熱量に自分が感染してできた作品でした」と語る。そんな白石との初対面を振り返り、役所は「『近年の日本映画は元気がないから、元気な映画を作りたい』と言われ、脚本を読むとそのエネルギーを感じました。監督からテレビではできないような演出をされることもありましたが、映画ならではなことも多く、とても男らしい映画ができたと思います」と話した。

「孤狼の血」会見の様子。左から白石和彌、阿部純子、役所広司、柚月裕子。

物語の舞台である呉原市のモデルとなった広島県呉市の方言について、役所は「大上に自分を近付けていくことができたので、呉弁は大きな味方でした。呉の皆さんに恥じないようにがんばったのですが、どうでしょうか?」と笑う。映画のオリジナルキャラクターを演じた阿部は、「現場で呉弁を練習していたら、役所さんが私のセリフのイントネーションまで覚えてくださっていて、フォローしてくださったんです」と回想した。呉でオールロケを敢行した理由を、白石は「昭和63年の空気感を感じられたところが大きいです。また『仁義なき戦い』は呉を舞台にしながら、呉での撮影がほとんどできていない。何か1つでも『仁義なき戦い』のエネルギーをこの映画にもたらすために、オールロケでの撮影を行うべきなのではないかと思いました」と解説した。

さらに「自分の撮る映画は『昭和っぽい』とよく言われるんですが、実際昭和の男の背中を見て育ってきたので、大上の背中を昭和の男の象徴として描きました」と話す白石。それを受け柚月は「昭和は誰もが必死に、自分が信じるものに何かを懸けて生き残ろうとした時代だと思います。皆様には、ぜひ小説と映画からその雰囲気を感じていただければ」とアピールした。

「孤狼の血」キックオフパーティの様子。

その後広島・EIGHTにてキックオフパーティーを実施。同イベントには、本作のキャストである広島在住のさいねい龍二も参加した。この映画にちなんだオリジナルカクテル“ブラッディウルフ”で乾杯したのち、役所は「しばらくなかった映画ができたなという気持ちです。これからこういった作品がどんどん増えて、世の中が活気づいていけばなと思いました。最近の映画では映さないようなシーンもあり、お茶の間にそぐわない映像もたくさんありますけれど(笑)。映画に出てくる男たちは、みんな生き生きしていました」と作品に対する思いを明かす。役所から「昭和にこんな監督がたくさんいたよなあというような、潔い素晴らしい監督でした」と称賛された白石は、「天にも昇る気持ちですね! 命を削って撮ろうと思った作品でした」と思い入れを語る。

また映画の感想について「心がやけどした」と述べた柚月は、「『仁義なき戦い』がとても好きで、いつかこういった熱い作品を書きたいと思っていました。映像と活字ではまた違った魅力があるので、白石作品として独立したものになっているなと感じました」とコメントした。

「孤狼の血」は5月12日より全国ロードショー。

※「孤狼の血」はR15+指定作品

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(c)2018「孤狼の血」製作委員会

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