天才ピアニスト・竹内知咲が語る「『古畑任三郎』という人間の3つの魅力」。

〇〇の話がしたい! 第5回 [バックナンバー]

天才ピアニスト・竹内知咲の「『古畑任三郎』という人間の3つの魅力」

毎日観ても発見があり、古畑の魅力に気付ける

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さまざまな著名人が、自分の趣味や好きな映画を語る連載「〇〇の話がしたい!」第5回には、お笑いコンビ・天才ピアニストの竹内知咲が登場する。竹内が好きなものは、1994年から2006年まで放送された、田村正和主演のサスペンスドラマ「古畑任三郎」シリーズ。同作と中学生の頃に出会い、それから20年近くファンだという彼女に、主人公・古畑任三郎という人間の魅力を3つの要素に分けて紹介してもらった。

/ 竹内知咲 イラスト / 河井克夫

まえがき

どうも! 天才ピアニストの竹内知咲と申します。私は「古畑任三郎」シリーズの大大大ファンです。
中学生の頃、たまたまレンタルビデオ屋で借りてこの作品に出会い、そこから20年近くずっと「古畑任三郎」シリーズを繰り返し観続けています。今は大阪で一人暮らしをしているのですが、毎日寝る時に流しっぱなしにして楽しませていただいています。もはや「古畑任三郎」の音声を聞くと眠くなる体になりました。また、大阪に来る前は京都の実家にて毎日毎日夜ご飯の時に観ていました。だからセリフをほとんど覚えています。アバンタイトル(※編集部注:オープニングの前に流れる映像)の音声を聞けば、誰が犯人の回かわかります。それぐらい大好きな作品です。
元々サスペンスやミステリーが大好きで、「科捜研の女」や、「TRICK」、「名探偵コナン」など、事件が起こって誰かが解決する系はたくさん観てきたのですが、その中でも私が「古畑任三郎」を特によく観ている理由は、古畑任三郎という男性がとても魅力的だからです。今日は私の思う「古畑任三郎」という男性の魅力を3つ挙げさせていただきたいなと思います。

魅力その1:溢れる人間味

田村正和さん演じる古畑任三郎は、天才的な洞察力を持っており、犯人の些細な言動から事件解決へと繋がる糸口を見つけていきます。どんな巧妙なトリックも見逃さない超優秀な警部補なのですが、本人の言動はわがままなところがあったりミーハーなところがあったりしてとても人間味溢れています。
加藤治子さん演じる脚本家が犯人の回、笑福亭鶴瓶さん演じる小説家が犯人の回、SMAPさんが本人役で出演している回(など他多数)でも、それぞれすぐ「ファンなんです~!」と言って近づいていきます。SMAPさんが犯人の回では現場検証を見にきたメンバーたちに格好つけたいと言う理由で、相棒の今泉くんをいつも呼んでいない呼び名で呼んでみたりします。殺人事件以外興味ない完全無欠の人間かと思いきや、芸能人が結構好きでちょっとはしゃいじゃうところがとても可愛いなと思います。他にも、朝早いと機嫌が悪かったり、夜22時にはもう帰りたがったり、田舎が嫌いで事件を事故と決めつけて早く帰ろうとしたり、甘い物を食べた後に辛いものを食べて、また甘いものを食べたくなってのループから抜けられなくなったり(鶴瓶さんの回)、今泉くんに将棋で負けそうになったら急に盤の上をぐちゃぐちゃにしたりと、あの紳士的なルックスで中身はとても子どもっぽいところがチャーミングだなと思います。

魅力その2:生活感のなさ

古畑任三郎では、古畑自身の生活が見られるシーンは一切出てきません。どんな家に住んでいるのかもわからないし、肉親の存在もわからないし、友達もおそらくいない、、。この人は仕事以外どうなってるんだろう?といつも考えるけどそこが全て不明なところが古畑任三郎という男性をより魅力的に感じさせているのではないかと私は思っています。事件現場に来る頃には、いつもの髪型にマオカラーのシャツと綺麗なパンツと、黒いコートでビシっと身なりが決まっていますが、起きた時は寝癖めっちゃついてるのかなとか、家は片付いているのかな、逆にめっちゃ散らかっているのかなとか色々気になるところです。明石家さんまさんが犯人の回では古畑が「うちに寄っていきます?」と提案するシーンがあり、結局行かないのですが、頼むからちょっと寄ってくれ! 見たい!といつも悔しい思いをしています。唯一、料理はするという情報と、得意料理が茶碗蒸しだということだけわかっていて、生活感ないけど料理をするというギャップもまた素敵だなと結局私はまた古畑が好きになってしまいます。

魅力その3:犯人との接し方

私は古畑任三郎の最大の魅力は「犯人との接し方」だと思っています。「お前がやったんだろおおおお!」と怒鳴りつけるタイプの刑事も好きなのですが、古畑は真逆です。丁寧で美しい言葉遣い、ゆっくりとしたテンポで話し、犯人だと確信してからも声を荒げることは(例外はありますが)あまりありません。犯人が自白してからも、和やかにトークして、なんとなく犯人に信頼されたり、友達のようになって話が終わっていきます。それがなんともおしゃれだなと思います。また、「こいつが犯人っぽい」と気付いてからの、執拗なつきまといも私は大好きで、犯人が忙しく余裕がない時にあえて犯人が動揺するような事件の証拠を持っていき揺さぶります。松嶋菜々子さんが犯人の回では、大事な講演会がもう1分後に始まります!みたいな時に「これだけ見てください!」と言って重要な証拠を持って行ったり、坂東八十助(※編集部注:2015年に死去した坂東三津五郎)さんが犯人の将棋棋士を演じた回では、竜人戦で次の手を考えている真っ最中に証拠を持って行ってめっちゃ話しかけたり、古手川祐子さんの回では、もう家の前で待ち伏せして晩ご飯つくりますと言って強引に家に上がり込んで証拠を見つけたり、見てるこっちが「やりすぎや!」と思うくらいに犯人につきまといます。その時の犯人の焦る姿と古畑のいたずらっぽい表情がとても魅力的でこのドラマをすごく面白くしているなあと感じます。

まとめ

トリックが巧妙で、犯人も魅力的で、アバンタイトルや途中の一人語りなど、「古畑任三郎」シリーズが他のサスペンスドラマと違う輝きを放っている理由はたくさんありますが、やはり私は主人公が古畑任三郎だからこそこのドラマが大好きです。三谷幸喜さんが生んだ古畑任三郎というキャラクターは本当に魅力的だと思いますし、それを田村正和さんが演じてくださったことで命が吹き込まれ、最高の主人公が完成したと思います。毎日観ても、どんどん新しい発見があり、どんどん古畑の魅力に気付けるすごいドラマ! これからも愛し続けます! また今度は今泉くんの魅力3つ書かせてください!!!

竹内知咲(タケウチチサキ)

竹内知咲

竹内知咲

1992年1月28日生まれ、京都府出身。2016年5月に、ますみとお笑いコンビ・天才ピアニストを結成した。2022年「第52回NHK上方漫才コンテスト」優勝、2022年「女芸人No.1決定戦 THE W」優勝、2023年「上方漫才協会大賞」大賞など、受賞歴多数。レギュラー出演番組には「天才ピアニストと澤武の『せやけど、アレやね』」(KBS京都ラジオ)、「天才ピアニストのむぎゅっとぷくっと」(ABC Podcast)、「カベポスター・天才ピアニスト・フースーヤのワチャラチャ忍忍」(SUNテレビ)などがある。毎日0時にラジオ番組「天才ピアニストの深夜おでん シーズン2」が天才ピアニストの公式YouTubeチャンネルほかで配信中。

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『天才ピアニスト』竹内知咲 @tensai_pianist

大大大好きな古畑任三郎
について書かせて頂きました‼️👀 https://t.co/u2hBe6gzo6

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