映画「デデデデ」は浅野いにお全面関与!主演2人の起用理由は?自ら描き直したカットも

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浅野いにお原作による劇場アニメ「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」前章の完成披露試写会および舞台挨拶が、本日2月26日に東京・有楽町朝日ホールで開催された。

劇場アニメ「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」の完成披露試写会および舞台挨拶より。左からあの、幾田りら、浅野いにお。

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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」の上映スケジュールはこちら

浅野いにお

前章が3月22日、後章が4月19日に公開される「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」。3年前に突如として巨大な母艦が東京へ舞い降り、地球外からの侵略者が日常と同居した世界を舞台に、門出とおんたんの女子高生2人による青春が描かれる。イベントには原作者の浅野、小山門出役の幾田りら、おんたんこと中川凰蘭役のあのが登壇。浅野はイソベやんの着ぐるみの中から現れ、観客を驚かせた。

幾田りら

あの

原作を描いたきっかけを聞かれ、浅野は「連載が始まったのが10年ぐらい前。その頃は大きな災害があったり、人々の価値観の変化が顕著な時期だったので、そういったものをモチーフにマンガを描けないかなと思った」と回答。原作について、幾田は「画力がすごい。感情の裏の裏の裏ぐらいまで出ているような表情(の描き方)。五感のディテールも細かく、言葉もすごく強い。どんどん世界にのめり込んでしまいました」と、あのは「門出とおんたんのほのぼのした生活だったり、絵のタッチの柔らかさに反して、ストーリーの鋭さとかリアルさや絶望さがクセになる」と述べる。

アニメ化の話が来たときのことについて、浅野は「企画が来たのは5、6年前か、もっと前。僕は20年以上マンガを描いてるけど捻くれてる人間なので、原作もニッチなものが多い。そんな中で『デデデデ』は比較的メジャーな感じ、まっすぐな内容なので、ここでアニメ化を断ってしまったら生涯アニメに関わることはないだろうと思った。だから即答で『お願いします』とお返事しました」と明かす。

左からあの、幾田りら。

浅野はオーディション含めキャスティングから参加したそう。今作で声優初挑戦となるあのの起用について、浅野は「キャスティングはおんたんのオーディションから始まって、参加者が何人かいる中の1人があのちゃん。あのちゃんのテストをしたときに現場の空気が一変するような感じがあって、僕の中では確定だった」と話す。幾田の起用については「門出は普通の女の子だから、最初はそんなに人選も難しくないのかなと思ったけど、普通でありながら、あのちゃんの横に並んでバランスがいい人って誰なんだろう……?と暗礁に乗り上げたんです。その中でプロデューサーさんに幾田さんの名前を挙げてもらった。僕の中にはまったくないアイデアでしたが、実際に言われてみるとこれ以上の組み合わせはない。原作者が懇願してますと申し添えてオファーし、快諾していただきました」と述べる。また浅野はアフレコについても時間のあるときは現場で見学し、それが難しいときもリモートで音声をすべてチェックしていたと話した。

イベントでは、ano feat.幾田りらが歌う前章の主題歌「絶絶絶絶対聖域」と、幾田りら feat. anoが歌う後章の主題歌「青春謳歌」の話題にも。「絶絶絶絶対聖域」についてあのは「feat.幾田りらなので、(幾田から)普段のアーティスト活動では聴けないような歌声やワードを聴きたいなと。僕はシャウトとかデスボイスが好きなので、それを幾田りらにやらせたい!と思って、凛として時雨のTKさんに作曲をお願いしました」と説明する。幾田は「青春謳歌」について「原作を読み終えて、どんな音楽が流れててほしいかなと考えたときに、門出とおんたんのくだらない日常会話が聞こえてくるような曲がいいなと思った」と話し、「実際に私とあのちゃんの会話を曲の中に入れたいなと思って、音楽番組で一緒になったときに時間をもらって『明日世界が終わるとしたら何したい?』というような話をしました。曲をよく聴いていただくとわかるかもしれないです」と語った。

最後に幾田は「クソやばい映画になってます」と、あのは「皆さんの反応が楽しみ」と挨拶。浅野は「ちょっと長くなります」と、今日の日を迎えるまでの経緯を話し始める。「足掛け5、6年、アニメーションの作業をずっと続けてきましたが、原作者と映像化の関係性はなかなか難しいもの。ノータッチでできるならいいなと思ってたんですが、蓋を開けてみるとコンセプト会議から脚本会議、配役の会議からアフレコ、曲、すべて関わってしまう状態となりました。実際、アニメーション制作において最後まで作業しているのは作画の部分。そこがけっこう厳しい状態になっていて、僕も絵描きなのでどの程度関わっていけばいいのか考えたんですが、前章だけでもおそらく100か200カットぐらいのリテイクをお願いしました。リテイクも僕が赤を入れたり、リテイクが難しいところは僕自身が直接レタッチしたり。場所によっては、ゼロのところに僕が直接描いたところもあります。そういう感じで作業は進行しておりました。そうやって、アニメーション作業に片足以上踏み込んでしまった身から言わせてもらうと、アニメーション制作というのは、関わる人数も多く、期間も長く、予算もあるんですが、限られたリソースの中で全員が全員納得をするもの、最高のクオリティのものを作るというのはかなり難しいことなんだなと実感しました」と思いを吐露する。

本日は完成披露試写会と銘打っているが、リテイク作業は終わっていないとのこと。浅野は「まだまだ制作してるんですが、制作チームの皆さんはものすごく尽力してくれています。僕もやれることはすべてやりました。というか今もやっています。そういう状況であるとご留意していただいて、この後ご覧になっていただければ」と述べ、キャストとスタッフに対する熱い感謝の言葉を続ける。さらに浅野は「最後に一言だけ」と切り出し、「マンガ原作の映像化というのは、本当にいろんなことがあります。でもこれはお祭りですから。どうか皆さん、楽しんで帰ってください。今日はありがとうございました」と締め括った。

映画「デデデデ」は浅野いにお全面関与!主演2人の起用理由を明かす

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「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」

前章:2024年3月22日(金)公開
後章:2024年4月19日(金)公開

スタッフ

原作:浅野いにお「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」(小学館・ビッグスピリッツコミックス刊)
アニメーションディレクター:黒川智之
シリーズ構成・脚本:吉田玲子
世界設定:鈴木貴昭
キャラクターデザイン・総作画監督:伊東伸高
色彩設計:竹澤聡
美術監督:西村美香
CGディレクター:稲見叡
撮影監督:師岡拓磨
編集:黒澤雅之
音響監督:高寺たけし
音楽:梅林太郎
アニメーション制作:Production +h.
製作幹事・配給:ギャガ
製作:DeDeDeDe Committee

キャスト

小山門出:幾田りら
中川凰蘭:あの
栗原キホ:種崎敦美
出元亜衣:島袋美由利
平間凛:大木咲絵子
竹本ふたば:和氣あず未
田井沼マコト:白石涼子
大葉圭太:入野自由
小比類巻健一:内山昂輝
渡良瀬:坂泰斗
中川ひろし:諏訪部順一
小山ノブオ:津田健次郎
イソベやん:杉田智和
デベ子:TARAKO

(c)浅野いにお/小学館/DeDeDeDe Committee

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